2021年の3月に大学を卒業し、4月から太陽光や風力などの再生エネルギーを家庭や企業に普及していく仕事をしています。僕が働いている会社では「電気の生産者と消費者をつなげる」ことを大事にしていて、再エネ電力の売買だけではなく、生産者も消費者も一緒に巻き込んだ価値の共創を生み出すことをコンセプトにしています。

▪️「この人たちすごく素敵だなあ。」

就職先をここに決めたのは、まず環境問題に取り組んでいるっていうのが一つでした。もともと動物福祉・保全に関心があって。環境や気候変動のせいで動物がひどい目に合っているってことを知って、環境を守ることは動物を守ることだと思ったんです。昔から自然環境に親しみがあったのも大きいですね。キャンプや登山によく行く家庭だったので、小さい時から森や山、川などの豊かな自然に親しみを覚えて育ったということもあります。

もう一つの決め手は人でした。仕事とプライベートを分けるっていうのももちろん大事だと思うけど、自分にとっては一緒に働く人たちのことを仕事抜きにしても付き合っていきたいと思えるか、一緒に何かをやってみたいと思うことができるか、一人の人間として心から尊敬できるのかということが大事でした。社員の方々の人柄や温度感、人間性、主体性、など、総合的に見たときに、「うわ、この人たちすごく素敵だなあ。こんな人たちと働いたらきっとすごく楽しいし、成長もできるだろうな」と思いました。

今働いている会社では、「もうかる事業をしよう」という大前提の上で、そこに「おもしろさ」がないとだめなんです。エントリーシートからもうおもしろいんですよ。

「あなたの変態なところを教えてください」っていう設問がESにあって。友人とママチャリで2週間かけて長野まで行ったことを書きました。

大学2年生のとき、もともと動物福祉・保全に関心があったので学生団体を立ち上げて、その活動として長野にある施設に取材に行ったんです。でもただ行くだけだとつまらないから、動物を大事にしていた徳川綱吉の生類憐れみの令をもとにして、その取材の行程を参勤交代に見立てたらおもしろいなと。

江戸時代っぽいビジュアルにもこだわりました(笑)。甚平に下駄、という出で立ちで、ドンキでは馬の被り物を買ってママチャリの前の方に被せ、ホームセンターで旗とのぼりを買いました。道中は公園とか道の駅とかで寝泊りしながら、2週間にわたってママチャリを漕ぎ続けました。途中雨が降ってきたりなんかもして(笑)。でもやろうと思えばなんでもできるなと思いましたね(笑)

そのことをエントリーシートに書いて提出したら、社員の方がメールの返信の段階でもう「おもしろいね!!」と言ってくれて。そんなふうにおもしろがってくれる人がいるところで働きたいなと思いました。

▪️猫島のファンコミュニティづくりを目指す

仕事は環境に関するものを選んで、それとは別に動物のことにも関わっています。ここ半年で3回、猫島と呼ばれる香川県の男木島に行って情報発信などのボランティアをしています。男木島には住民約160名に対し、猫が80匹ほどいて。そのほとんどが野良猫なんです。以前は猫がもっと増えすぎてしまって島の人とっては迷惑者だったりもしたんですけど、今は猫たちは不妊去勢手術を行って一世一代の命を地域に見守られています。

僕は男木島のファンコミュニティづくりを目指しています。島では過疎化や高齢化が問題になっていて、おじいちゃんやおばあちゃんも寂しそうに生活をしていると聞きます。猫をきっかけとして、この素敵な島に人を呼び込み、島の魅力を知ってもらいたいです。やっぱり現場に入るのは大事だなと思いますね。男木島には夏にまた行くつもりです。